大湯温泉-集落の地域構成-

1970年代初頭の大湯温泉の概況を詳述してみた。現況調査は(2010年頃)はしていない。
現況と比較して、大湯温泉の変遷理解の一助となれば望外の幸せである。

集落の地域構成

大湯温泉は秋田県の北東部、青森県に隣接した所の、旧大湯町にある温泉集落である。
岩手県盛岡市の北西約70km、秋田県大館市の東北東約21kmに位置する。
大湯は青森県十和田町と秋田県大館市を結ぶ国道103号線沿いにあり、十和田から八幡平、八幡平から十和田は抜ける時には、必ず通過する集落である。この結果、バスはあらゆる方面からこの大湯を経由するようになり、十和田八幡平国立公園の遊覧に際しても、地理的に有利な場所に立地しているということができる。 温泉集落は大湯川にそって、細長く連なっており、特に昭和期に開設された国道103号線(通称バイパス、以下通称でいう)沿いに温泉集落としての機能が集中している。
上流から、荒瀬・上の湯・川原の湯・下の湯の4つの地域に分かれ、下の湯と川原の湯が境を接している他は、各地区はそれぞれ、500米から800米程の間隔をおいて延べ1.5kmにわたって連なっている。各地区にはそれぞれ共同浴場が建設され、それを中心として、旅館・保養所・貸間などがまとまって立地し、更に旅館などが集中している場所の間隙を縫うようにして、食料品店・風俗営業の店・土産もの店・民家などが密集し、大湯温泉独自の、分散型温泉集落ともいうべき、景観を構成している。